子供の性格ってどのように決まるの?
子供の性格
最近子供と接する事が多いです。(子供と言っても他の家の子供ですが)
子供と接していると、不思議なもので、親とそっくりな性格や行動をとる子供もいれば、お父さんお母さん、どちらにも似ていない子供もいるもんです。
実際私は、父、母2人にもどちらにも似ている部分があると思います。両親の良いところばかり似ていればいいのですが、何故か悪いところばかり似てしまっている気がします。
父親の怒りっぽく神経質で、母親の天然な性格。
この2つが共存してしまっている私はつくづく生きづらいなと何度思ったことか。
それにしても親の性格に似ていない子供もいれば、似ている子供もいるのは何故でしょうか?
親の遺伝や性格をもろに受け継いでしまうならば、産まれた時にすでに子供の将来はある程度決まってしまうという事なのでしょうか?
親が幸福に暮らしていれば子供もそうなり、親が不幸で陰鬱な考えであれば子供もそのようなレールを歩まざるを得ないのでしょうか?
子供の性格は生まれつき?
人の見た目は、親から受け継いでいます。ですから、誰しも目がお父さんに似ているけど、鼻や輪郭はお母さん似だ。というものがあるわけです。
では子供の行動や性格はどうでしょうか?
これは2つの意見があります。
1) 遺伝はあまり関係ない
ある専門家の本にはこう書いてありました。「遺伝が子供の人格形成に及ぼす影響は、育て方が及ぼす影響よりもはるかに少ない。遺伝の果たす役割は少ない」
つまり、遺伝が全てではない。親の育て方でなんとでもなるという事です。
2)遺伝は多いに関係ある
ある母親はこう言いました。「私の息子は実の父親を一度も見た事がないのに、父親そっくりです。意地が悪く、喧嘩早く、人をすぐ怒ります。実の父親は妊娠発覚後すぐに出て行ったので、息子と父親は一度もあった事ないのに。ここまで似るなんて」
ある科学者が、別々に育てられた15組に一卵性双生児について調べました。
つまり別々の親に育てられている双子の性格や行動パターンを調査したのです。
その結果、その子供達に性格や行動には多くの点で共通していたとのことです。
つまり私達の性格は遺伝によってある程度決まっているという調査結果です。
この1)2)の考えをまとめると、100%ではないですが、私達は少なからず遺伝の影響を受けていて、自分では、どうする事もできない性格が生まれつきあるという事です。
でもこの遺伝の影響を受けるパーセンテージや、どの分野で影響を受けるかは分かりません。
両親が怒りっぽいからと言って子供が必ずしもそうとは限らないですし、両親が優しいからといって、非行や犯罪に走る人が少なくないのも周知の事実です。
では生まれつき以外、子供が育つ環境はどう影響するのでしょうか?
子供の性格と環境
1) 住んでいる場所
ある子供は狭い部屋で、しかも10人の家族と一緒に暮らしています。そして父親がアルコールを飲む度に、子供を怒鳴り散らしていました。やがてこの子供は自己肯定の気持ちが無くなり、薬物に溺れ、亡くなってしまいました。
また方やある子供は、同じく都市部に住み、家も狭い家です。でも親や周囲の人が子供の感情に敏感で、すぐに助けていました。結果この子供は、優しく多くの友人を持つ事ができ性格が良く誰とでも上手くやっていける青年として成長しました。
2) 見るもの
多くの家庭では、子供にテレビやゲーム、映画を好き放題に見せています。
そしてテレビやゲームをしている時間は、必ず子供の考え方に影響を与えそれが性格へとつながります。
暴力的なゲームばかりしていれば、話す言葉や行動が攻撃的にったり、お金や名誉などを重きに置いている番組ばかり見ていれば、人生の価値観をお金に置きすぎてしまうかもしれません。
事実犯罪に走る人の多くは子供時代からメディアなどから多くの影響を受けているというデータがあるそうです。
またテレビやゲームばかりしているなら、子供の頃に必要な勉強をする時間が削られ、また他の人と面と向かって会いコミュニケーションをとるという能力が育たなくなってしまいます。
結果引きこもりや、登校拒否、人間関係で上手くやっていくスキルを身につけられないかもしれません。
子供の性格と食べる物
ある7歳の子供は、学校に行く朝いつもベッドから起きてきません。なので母親は毎朝息子を起こし、強引に服を着させ、お尻を叩いてやっとご飯を食べさせます。
母親はいくつもの病院に行き息子の病気を疑いましたが、ある医者が原因を突き止めました。その原因とは?
子供が毎晩寝る前にアイスクリームを沢山食べていたという事です。
そしてその医者は甘いアイスクリームに代わる、もっと栄養のある物を食べさせるようになってからこの子供が朝起きられず、学校に行かないという行動が変わったそうです。
大人でも子供でも、脳に栄養が与えられなければ、行動に影響を及ぼし、それが子供であれば、その行動パターンがもろに性格形成に影響を及ぼします。
栄養に良くない食べ物を沢山あげると、その子供は攻撃的になったり落ち着きが無い子供になる可能性がグンと上がるそうです。
なので子供が好きだからと言ってアイスクリームやスナック菓子を与え過ぎると子供の性格形成に良い影響を与えないという事が分かりますね。
子供の性格と親の行動
ある17歳の少年は、ナイフを使い、一人の少女を傷つけようとしました。その少年の家では父親がいつも母親に暴力をふるっていたそうです。
ある専門書にはこう書いてありました。「幼児は模範の力を通して学ぶ。子供は親の習慣や感情、喜び、悲しみ、振る舞いなど全てを吸収する。乱暴な親に育てられれば子供もそのようになってしまうし、愛情に溢れた家庭で育てられれば、子供は他の人にもそのように行動できるようになります。
子供の性格と親の愛情表現
生まれて3カ月の赤ちゃんは、なくてなならないものが欠けている事を感じとります。赤ちゃんにできる意思表示と言えば、泣く事です。泣き止まない赤ちゃんを医師が見てもどこも悪いところが見つかりません。
しかし、母親が、子供に対して愛情を示さず、抱いたり、あやす事もなく、ただ決まった時間に哺乳瓶でミルクを与えているだけでした。
見るに見かねて看護婦がその赤ちゃんを抱きしめて愛情を注ぐと赤ちゃんはピタリと泣く事をやめました。
私達は生まれながらにして愛を求めている事が分かります。
子供の頃にこの愛が与えられないと、子供は欲求不満になり、うそや盗み、薬物の濫用や非行などという行動につながりかねません。
十代の非行少年少女を更生させたある人はこう言っています。
「このかわいそうな非行少年たちは、本質的には、誰もが望んでいる事を求めているにすぎない。取るに足りない者とされるよりは、ひとかどの者になりたい。人間として認められたい、感謝され愛されたいという事を求めているのである」
子供達は親から愛を注がれないと、それを自分の仲間のグループ内で得ようと必死になるのです。
ですから家庭で子供に適切な愛情を注いでいれば子供が穏やかな性格になり、非行や犯罪に走る事を防ぐ事ができるという事です。
最後に
私達の性格は確かに遺伝の影響を受けています。それでも環境でいくらでも子供の考えや行動パターンを変える事ができます。そして子供の考えや行動パターンが健全であればあるほど、良い性格形成へとつながり幸福な人生を歩む事ができるのです。