良いストレスってあるの?3種類のストレスのメカニズム。
良いストレスってあるの?
ストレスは体がどんな要求に対しても示す反応なので、どんな人でも絶えずある程度のストレスがあると言われています。
例えば、ギターやバイオリンなどの楽器で心地よい音を出すには弦を張る必要がありますね。
これは絶妙なバランスが必要です。
強く締めて張りすぎたら弦が切れてしまいますし、逆に緩すぎると音は出てこないです。
ちょうど良いバランスの保たれた音を出して音楽にするには適正な範囲内で弦を張る必要があります。
ストレスも同じです。多すぎると私達の体や精神に有害な影響を与えます。
食欲不振になったり、不眠になったり、鬱病を患ってしまったり。でも全くストレ
スがない状態もそれはそれで問題です。
例えば、道を歩いている時に、スピードの早い車が走っていてぶつかりそうになったらとっさに避けますね。これがストレスによる回避なんです。
他にも夜家でお風呂に入り、ビールを飲み、食事をして寝る直前の完全にリラックスしていると状態で、100人の前でスピーチをして下さいと言われてもいい話などできませんね。
人前でスピーチする際は熱意やある程度の緊張状態、そうですストレスがかかって本番力が得られるからなんです。
これは良いストレスと言えます。
なので人はある程度のストレスを必要としています。このストレスが役に立つのは、上記で考えたような極端な場面だけではありません。
日々の生活の中である程度のストレスがかかっています。
人と話をしたり、買い物をしたり、遊んでいる時にもストレスはかかっています。
そして寝ている時にも心臓は絶えず動いています。そして肺も機能し続けています。温度の変化もあるでしょう。
ですから私達が生活する上でなんらかの圧力は常にかかっているんです。
良いストレスもあります。
良いストレスとは?3種類のストレス
ストレスには大きく分けて3種類のストレスがあると言われています。
1 急性のストレス
急性のストレスは毎日の生活の重圧からもたらされます。解決せざるを得ない不快な状態です。
例えば、停電になって料理ができないとか、地震の影響で電車が遅れている。ちょっとした風邪を引いてしまったなどです。
このようなストレスは偶発的なもので、ストレスになる時間は一時的です。
そしてこの手の圧力は時間が過ぎれば解決します。
ごくたまに、この種のストレスがこれでもかってくらい次から次へと襲ってくる事もあります。
それでも急性のストレスであれば、状況は時間と共に必ず良くなっていきます。
2 慢性のストレス
慢性のストレスは長引きます。
例えば貧乏な状態。お金が無いという状態から抜け出したいと思っていても良い仕事が見つからない。物価や税金が上昇していく。そんな状況は自分だけの努力で解決するわけではありません。
また人間関係なども慢性化するストレスです。
職場でいつも嫌味や意地悪をする上司の下で働いているなら毎日ストレスと闘わなければなりません。
また家庭内でも夫婦喧嘩や子育てで悩みを抱えているならば毎日プレッシャーの連続でしょう。
原因はどうであれ、慢性のストレスにさらされている人は毎日、毎週、毎月、体力も精神的力も奪われていきます。これは良いストレスではありません。
ある本によると、「慢性のストレスで一番良くないのは人がそれに慣れてしまう事だ」と書いていました。人は急性のストレスにはすぐに気づきやすい。そのストレスは新しいからです。しかし慢性化されたストレスには気づきにくい。それは前からあるプレッシャーで慣れており、人によっては時に心地良く思える事もある」
との事です。
確かに急性のストレスがあると、なんとかしなければと思いますが、以前からあるストレスに対してはすぐに対処するという思考がないですよね。そして慢性化されて対処できないままずるずると時間が経つならば、体や精神がクタクタになってしまいます。
3 外傷性ストレス
ストレスの3種類目は、交通事故や怪我、大きな自然災害など、の時に抱えるストレスです。
以前に心や体に深く傷を負ってしまうと、何年経った後でも、その出来事が鮮明によみがえり苦しめられるという事があります。
こうした症状が改善されず、長い期間苦しむならPTSDという診断を受けるかもしれません。
ある女性は、車衝突事故を経験しました。その後月日が経っても涙が出てきたり、夜ぐっすり眠る事もできません。
そしてついには外出する事も恐怖になってしまいました。
PTSDを患っている人は、経験した事を無意識に思い出してしまい、夢でうなされる事が多くなります。
そしてちょっとした事で驚いたりパニックになったりしてしまいます。
ベトナム戦争から帰国したアメリカ兵は、20年以上経ったある日、車のエンジンの音を聞き、草むらに飛び込んでしまいました。車の音が当時の戦争の音を思い起こさせ本人をこのような行動へと駆り立てたのです。
良いストレスではないストレス過敏とは?
人が現在のストレスにどう反応するかは、過去にどんなストレスにさらされた事があるか?
またどれだけの量の圧力を受けたかで変わってくるという学者もいます。
過去に深い傷となるストレスを受けたために脳のニューロン、シナプスなどの化学的配線が変化してしまい、それ以降ストレスに対して敏感に反応してしまう人もいます。
ある調査によると、戦争中に軍隊として捕虜になった事がある兵士は帰国後、何十年と月日が経過しても脳卒中などの罹患率が8倍になるとの事です。
戦時中に過度にストレスにさらされた為に、それ以降もストレスに対する反応が変化し、より敏感にストレスに反応するようになってしまったのです。
子供時代のストレスは良いストレス?
子供時代に経験したストレスが大人になって現れてしまうという事も珍しくありません。
子供の場合は鬱病などの病気になっても、怠けているとか、性格の問題だと片ずけられてしまいます。そして子供本人も病気なのか分かりません。
子供時代に過度にかかる圧力は良いストレスとは言えません。
そして大人になってから自分で病院に行くようになりそこで初めて自分は病気だった事を知り治療を受けます。
最後に
私達は毎日の生活でストレスを抱えています。これは良いストレスもあれば悪いストレスもあります
。ですから自分がどんな種類のストレスを抱えているのか?先ず知る事が大切です。
そしてもし悪いストレスを受けている事が分かったらストレスを発散させましょう。