映画 「永い言い訳」 を見て男はずるいなあって思ってしまった。
映画 「永い言い訳」
皆さんこんにちわ。私は飛行機に乗る際にいつもアイパッドに映画をダウンロードしておき機内で観賞しています。
今回中国へ行く際に選んだ映画はかねてから気になっていた「永い言い訳」
同じ男として、既婚者として気になっていた作品です。
監督は西川美和さん。女性監督ですね。小説を最初に出版して、その後その小説を原作に映画を作成しました。
キャストは本木雅弘さん、深津絵里さん、竹原ピストルさん、堀内敬子さん、などなど世間に知られたキャストですね。
永い言い訳 映画のストーリー
作家である 幸夫(本木雅弘さん)は妻の夏子(深津絵里さん)が友人と旅行に出かけた日に、彼女が事故死したと警察から電話が入ります。でもその時幸夫は、不倫女性を自宅に呼んでいた最中でした。
そして妻への愛は元々冷めていたので、妻の死の知らせを聞いても悲しいという感情が沸き起こってきません。心からの涙も流せません。
それでも幸夫は作家として有名人なので、マスコミが妻の死について彼にインタビューすると幸夫は妻の死を悲しんでいる素振りを見せます。
男のずるさが随所に
幸夫の妻は友人と旅行に出かけた際に事故に巻き込まれ死亡しました。そしてその友人も同時に亡くなっています。亡くなった妻の友人の旦那、陽一(竹原ピストル)と対面します。
幸夫と陽一、妻の死を思う感情が対極に描かれています。
幸夫は妻の死を悲しみめない。陽一は悲しみのあまり来る日も来る日も亡くなった妻を想います。
そんな陽一の家を幸夫は訪ねました。幼い2人の子供を男一人で育てています。しかも職業は長距離トラック。家に帰れない日もあります。
そこで幸夫は幼い子供2人の世話を買って出ます。子育てをした事がない幸夫ですが、子供に徐々に愛着を感じ充実した日々を過ごしていきます。
そんなある日、妻の古い携帯が見つかりました。そのメッセージを見ると夫幸夫の事を「ひとかけらも愛していない」という内容です。
このメッセージに幸夫は愕然として絶望感に苦しみます。
ずるい男の葛藤
陽一は妻が生きている間愛を注いだ。幸夫は妻を愛し続ける事が出来なかった。
幸夫は陽一の真っ直ぐな妻への思いと自分を比較します。幸夫は妻の事何故もっと愛さなかったか、自責の念、劣等感、罪悪感に苦しみます。
ある日陽一の子供の誕生日の日に陽一の家でパーティをしている時、幸夫は陽一に失言してしまいます。
妻が自分を愛していなかった。そして自分も妻を愛せていなかった。そんな葛藤から来る失言だったのでしょうか。
失言に後、幸夫は外に飛び出してます。その後を追う陽一に幸夫は「俺は君とは違う。妻が死んだ時、他の女と妻のベッドで不倫していた。俺は彼女が死んでも泣けなかった」
陽一も妻の死からだいぶ月日が経ち、何度も何度も妻が残していた留守番電話のメッセージをやっと消去しました。妻の死の悲しみから前に向いて歩こうとする姿が何とも言えないシーンでした。
その後陽一はトラック運転の際に交通事故を起こしてしまいます。
幸夫は暫く顔を合わせていない陽一でしたが、すぐに子供を連れて陽一のもとへ向かいます。
ずるい男の変化
陽一のところに向かう電車の中で幸夫は陽一の子供にこう言います。「人間の心は強いけど、弱い。ポキっと折れる事もあるんだよ」「生きてれば、人は色々思うよ」
「でもね、自分を大事に思ってくれる人を簡単に手放してはいけない。みくびったり、落としめちゃいけない。そうしないと・・・僕みたいになる」愛していいはずの人が誰もいない人生になる。簡単に離れるわけないと思っていても離れるときは一瞬だ」「だからちゃんと大事に握っていて。君らは」
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ずるい男のけじめ
髪をいつも妻に切ってもらっていた幸夫。
妻が死んでから、髪を切る事なく、伸びていましたが、映画の後半で妻が働いていた美容室へ髪を切りに行きます。
ここで私は、冒頭のシーンが出てきました。
冒頭のシーンは妻が幸夫の髪を切るシーンです。髪を切り終わった後、妻が出かける前に幸夫に行った一言「後片付けは宜しくね」 幸夫「そのつもりだけど」
このラストシーンでやっと妻の死。そして結婚生活のそして心の整理が出来たのではないでしょうか。
この映画を見てやはり男はずるいと思います。
何故男はずるいと思うか?
1 結婚後に冷める
男は一人の女性を愛し続ける事が難しいと言われていますが、やはり妻を愛し続けなかった。
結婚して、「自分の所有物」的な錯覚を起こしてしまうのでしょうか。また「釣った魚に餌をやらない」という言葉に凝縮されているように愛する努力を怠ってしまうのでしょうか。
妻が老けていく姿に幻滅してしまうのでしょうか。
理由は様々でも、一度生涯のパートナーとして選んだ以上理由はともあれ愛する努力を怠り愛せない言い訳をする男性はズルいと感じてしまいます。
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2 不倫
男性の不倫の多さは様々なアンケート調査で証明されています。ある調査では7割近くの男性が不倫をするとの結果もありました。真偽の程は分かりませんが実際不倫する男性、女性は多くいます。
男性だと結婚後に、若い女性に目がいってしまうのでしょう。
そしてほとんどの男性は「女性を追いかけたい」「モノにしたい」という願望があると思います。
結婚後に妻が手に入り、それでは物足りなくなった男性は追いかける女性を見つけ不倫に走るのです。やはり男はずるい部分ありますね。
3 失って初めて後悔する
夫婦の場合、夫が先に死んでも妻はその後も長く生きていける。逆に妻に先立たれた男性はその後長生きする事は少なく寂しさで直ぐに亡くなってしまうそうです。
なんか分かる気がします。妻が生きている間は喧嘩や摩擦が原因で不倫や愛が冷めるのに、妻が死んだら悲しさのあまり生きていけない。
要約すると男性は結婚生活である意味理想を追いかけているのではないでしょうか?
生身の妻には不満がたまり愛せないが、いざいなくなるとその妻を美化して愛せるようになる。
男のずるい部分ですね。
4 自己愛が強い
永い言い訳を見て思ったのですが、男性はわがまま。そして自分を愛し過ぎた結果なのかなと思う事がしばしば。自分が上手くいかない時に妻に出会い結婚。自分が妻を愛せなくなり不倫。自分が必要な時にそばにいてくれればそれで良い。自分が愛せる時には妻がいない。
この映画を見て男はこういうところあるな。と思いました。全部自己愛、自己中心的な愛なんです。この映画に限っては、不倫相手の事も身体の関係だけで心は愛していなかったです。
より利他的な、相手を中心とした愛情表現をしないと男はずるいと言われたしまいますね。
5 人の為に泣けない
妻が死ぬ 心から泣くという事を全ての男性ができるわけではない事が分かります。事実この映画では陽一の妻が亡くなり、その長男は泣いていませんでした。
男性が人前で泣くのは、弱さでもなければ格好悪い事でも無い事です。でも人前で泣く男性は少ない。というか泣かない人も多いのではないでしょうか。
事実私も人前で泣きたくありません。これは、やはり自分の感情に素直になれない、どこかごまかしてしまう。泣く事よりも他人の目を気にしてしまう。
やはり素直でまっすぐな男性は、自分の感情をストレートに表現しています。まして妻が死んだ時は感情を出してわんわん泣いてみいいのではないでしょうか。
最後に
「永い言い訳」 この映画は自分が結婚をしている。そして夫婦の在り方を模索している。そう思っている方がいたら是非見て下さい。
色々と感じる事があると思います。共感できる部分がそしてもしかしたら自分の中にあるずるい部分が見つかるかもしれません。